アンスラニル酸メチルの鎮静効果

突然ですが今日はシトラス系やフローラル系精油に含まれる成分、アンスラニル酸(アントラニル酸)メチルについて。

アンスラニル酸メチルはエステル体で、体内に吸収されると分解されてアンスラニル酸になります。

このアンスラニル酸。

炭素が5つの芳香族アミノ酸で、トリプトファン代謝経路における代謝産物アンスラニル酸と同じ物質。それによりセロトニン合成系に関与します。

セロトニンは脳内伝達物質を調整し精神を安定させる働きがあるので、「幸せホルモン」と呼ばれたりすることもあります。また睡眠や概日リズムを制御するメラトニンの材料でもあります。


アンスラニル酸メチルを50%以上含む化学物質は、麻薬及び向精神薬取締法で向精神薬原料に指定されていることからも、その作用の強さと確かさがわかります。


精油の中で最もアンスラニル酸メチルが多く含まれているのが、プチグレン(特にマンダリン・プチグレン)であり、鎮静作用・鎮痛作用・鎮痙作用・抗不安作用が期待できます。

抑鬱状態や不安感の強い時、筋肉痛やけいれん性の咳などのケアに有用です。

精油は化学で全て説明がつくものではありませんが、化学の裏付けがあることでより安心して用いることができるのもまた事実ですね。