Melissa [ logos ]

Melissa officinalis

シソ科   産地;フランス、ドイツ、地中海地方


Melissaの主成分はアルデヒド類。

アルデヒド基は1級アルコールが酸化してでき、さらに酸化してカルボキシ基に移行しやすい。また極性が高く水に溶けやすいので、保存には密閉(水と酸素に触れないこと)が大切。

シトラール(ネラール+ゲラニアール)がメインだが、シトロネラールも含む。

シトロネラールが薄いものほど望ましいが、安価なシトロネラという植物の精油(よく虫除けアロマに使われる香り)で薄められることも多く、シトロネラールを強く感じるものや安い市販品には注意が必要。


アルデヒドは、とても不思議なことに、極少量を希釈して使うほど抗不安作用や鎮静作用をより発揮する。濃度を上げていくと、あるポイント(『プラトー効果』という…また別の機会に書きます)を越えたところでその作用が減少していくのである。

これは精油の面白いところだと思う。


また、Melissaの成分の魅力は、セスキテルペンも含むところだと思っている。

カンナビノイド受容体に作用し鎮静効果を示すことが証明されているβ-カリオフィレンが10%ほど含まれている。ここがアルデヒドの作用をバックアップしていると思う。

(カンナビノイド受容体を介した鎮静・鎮痛作用についてはまた別の機会に書きます。)


この神経鎮静作用については、認知症患者さんの不穏行動(認知機能の障害のため不安が生じ警戒心が強まることなどから、怒り出したり興奮して暴れたりすること)を対象としたエビデンス*がある。

不穏には、脳の扁桃体(快・不快などの感情と記憶を結びつける部位)が敏感に反応する、という生理学的な要因がある。扁桃体は嗅覚系の中枢とも近く、香りが作用しやすい部位であるので、このような症状のコントロールに精油療法が有用なのは理にかなっているだろう。


またMelissaは、皮膚の炎症やアレルギーを抑える働きがあり、特にカモミールとのブレンドでその効果が増強する(『シナジー効果』という…これについてもまた改めて)。

季節の変わり目のゆらぎ肌や、精神的ストレスからくる肌トラブルには覿面なのである。


Melissaのlogos的側面についてでした。

きちんと科学的で立証された作用と成分、そしてその香りの素晴らしさとともに注目の精油に間違いありません。


*2002年の精神科領域の第一線のピア・レビュー誌(Journal of Clinical Psychiatry)に掲載された『重度の認知症における不穏の管理のための安全かつ効果的な治療法としてのアロマテラピー』という論文(二重盲検法)がある。重度認知症患者72人を対象としてMelissa群とSun flower oil(プラセボ)群に分け、1日2回ベースローションに希釈し顔と両腕に塗布した。 CMAI(不穏を示す指数)が30% 低下したのは、Melissa使用群のうち60%、コントロール群では14%の患者で、さらに全体としてMelissa群は35%のスコア低下、コントロール群は11%低下がそれぞれ見られ、Melissaに有意な改善が見られた。 QOL指数もメリッサ群で有意に改善した。




Reference
・『アロマティックアルケミー』バーグ文子著
・Plant Language Aromatherapy Course    Schnaubelt PhD.  @LSA Japan
・Ballard CG. et al ;Aromatherapy as a safe and effective treatment for the management of agitation in severe dementia: the results of a double-blind, placebo-controlled trial with Melissa.J Clin Psychiatry. 2002 Jul;63(7):553-8.
・IFA PEOT Course text book @LSA Japan

bilanx. by Lisa Kikuchi

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