脳のクセ 〜効率の良い学習法
先日の『Evidence Based Aromatherapy⑥香りで脳にアプローチ』セミナー@LSAにて、
脳の持つさまざまな特性(クセ)についてお話しさせていただきました。
自分のことなのにわかっていないことって本当にたくさんありますけれど、
でも少しでも何か糸口が見つかると、それを信じてまた次に進むことができますよね。
さて。その中で宿題にさせてもらった件について、今回は書いてみたいと思います。
お子さんが受験生だったりしても関心があると思います。
エビングハウス自らが意味のない単語(rit, pek, tas, ...etc)を暗記して、その再生率を調べてこの曲線を導き出したそうです。
The Ebbinghaus Forgetting Curve
Memory: A Contribution to Experimental Psychology Hermann Ebbinghaus (1885)
このグラフの縦軸が‘記憶量’でないことに注意が必要です。
‘saving score =節約率’であり、一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間(または回数)をどれくらい節約できたかを表す割合になります。
復習するのが1日後になると、最初の7割の時間で覚え直すことができるので節約率30%、ということです。
(この縦軸を‘記憶量’と見ると、1日後には7割の記憶が失われている、となってしまうので、意味が違ってきます。)
では短期記憶から長期記憶にするには、どのようなスケジュールで復習すべきか。
最近の研究で効率的学習法について具体的なエビデンスが明らかになっているようです。
まず復習の時期については、セパーダとローハという人たちの研究から、
『1:5の分散学習』がいいだろう
という結果が出ています。
試験前に一回しか復習できないとしたら、試験までの日数を5で割った日にちが復習にもっとも適する日だそうです。
(試験が10日後だとしたら10÷5= 2日後に復習する。
試験が30日後だとしたら、30÷5=6日後に復習するのがベストタイミング)
またカプリッケという心理学者による実験でも
5:1の法則
は有効とされていて、その後は7〜10日の一定周期で復習するのが良いそうです。
ある事柄を集中的に毎日繰り返し学ぶ『集中練習』だとどこまで行っても短期記憶のままとなる為、
内容を理解するところまで集中して勉強したら、あとは一旦忘れて他の科目の学習を挟み、
間隔をあけてまた思い出す『間隔練習』がいいということもわかっています。
ちなみに、一旦忘れたものを思い出すのには、いきなり本を開くより、
小テスト形式でおこなう『想起練習』が記憶の定着には断然いいようです。
いかがでしょうか。
迷信的に言われていたこと(ex.毎日コツコツ何度も読みかえすべし)を鵜呑みにせず、
科学的に根拠のある学習法(ex.期間をあけて小テストで想起)を取り入れてみるのもいいですね。
参考文献
Memory: A Contribution to Experimental Psychology Hermann Ebbinghaus (1885)
『実験心理学が見つけた 超効率的勉強法』 竹中 龍人著
『使える脳の鍛え方 成功する学習の科学』 ピーター・ブラウン他
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