Melissa / [ physis ]
Melissa officinalis
シソ科の葉から採れるオイル。別名レモンバーム。
ヨーロッパではかなり古くから蒸留されてきた。16世紀のスイス人医師パラケルススがメリッサの精油を「エリクシール」(不老不死の妙薬)と呼んだことでも知られる。ドイツでは伝統薬"メリセンガイスト"の主役で、冬や天候の悪い季節にうつ傾向となる季節性情緒障害や感染症に対して用いられてきた。
ハーブティとしてもよく飲まれる。スッキリして爽やかな香りもあり、美味しい。
香りは、レモン様のシトラス調だけれど、他のどれとも似ていない青々としたそれでいて落ち着いた芳香がある。感性が研ぎ澄まされていくような、きれいな香り。
初夏に、メリッサの鉢を買ってみた。ときどき葉を取ってハーブティにして飲むが、葉を切っても切ってもよく生えてくる。今年の夏は酷暑だったので、葉が茶色く焼けてしまった部分が多かったが、根元の方で切ってもまたすぐに葉を繁らせた。
これだけ育てやすい植物だが、エッセンシャルオイルの含有率がとても低く採油量が少ないため、希少で高価な精油となっている。(安く売っているメリッサはメリッサではありません。似た香りの精油の混合であるなどの偽和の可能性が高いです。)
不安感を取り除き、気持ちをリフレッシュして明るく保つので、憂鬱を取り払いたいときに役に立つ。
また離別や死別の悲しみを受け入れ立ち直るのに効果があると言われてきたが、これもメリッサの生命力から来ているのかもしれない。いのちはまた巡るということを、信じさせてくれるみたいに。
ちなみに、香りも皮膚への強度も非常に強い精油なので、ごくごく薄めてブレンドすると良い。
薄く使うことで、より香りの奥深さが感じられるのは不思議である。
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